2015年11月30日月曜日

横井英樹忌

灰の中に銃弾横井英樹の忌

11月30日 享年85歳(虚血性心疾患)
毎日が忌日

荼毘にふされた後、遺灰の中に銃撃事件の時の銃弾があったという。

2015年11月29日日曜日

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」メモ(3)

2年前に読んだ『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を英訳で読んでみた。

読むと言ってもキンドルのナレーション(Audible)を聴きながら読んだのでいわば<聴読>ということになろうか。

2年前のそうだったが、いったい誰がシロをレイプし、絞殺したかということがやはり気になる。もちろん、作者が<謎解き>をしないかぎり、それは永遠にわからないことだが、主要な登場人物の中で言えばやはり、アカが一番その役に相応しいように思える。

グループの中で最後にシロを見たのはアカであり、その際に彼女がかつての輝きを失っていたことに失望している。魅力的でなくなったシロについてアカはこう言っている。

"Seeing Shiro like that was very painful. It hurt to see that she no longer had that burnig something she used to have. That what had neen remarkable about her had vanished. That the special something would no longer be able to move me the way it used to."

そして彼女の死を知った後に次のように感じたと述べている。

"Whatever the circumstances might have been, she didn't deserve to die like that. But at the same time I couldn't help but feel that the life had already been sucked out of her, even before she was physically murdered."

ここで思い出すのは緑川が持っていたという<死のトークン>のことである。ある種の力の源泉である<死のトークン>はそれを手にした者に力と才能をもたらすが、同時にその心を損ない、最後には肉体まで破壊するものらしい。

その<死のトークン>をシロが(どこで手に入れたかわからないが)持っており、そしてアオがそれを引き継いだのではないか。

<死のトークン>を失ったシロは抜け殻のようになり、それを手に入れたアカは力と才能を開花させていく。抜け殻となったシロを<始末>したのはアカ本人か、その手先から分からないが、悪霊によって変容したアカなら躊躇なく実行できただろう。

アカの言葉を信じるならばシロの命はすでに<sucked out>しており、彼はただその抜け殻の動きを止めただけかもしれない。スイッチを切るように。


職業としての小説家

村上春樹の『職業としての小説家』を読んだ。

現実の<職業としての小説家>の人たちがこの本を読んだら(たぶん読まないと思うが)どう思うのだろうか。

作者の考える<職業としての小説家>は、有機農法や無農薬などの農作物を産地直送システムで消費者に届ける農業従事者のイメージが一番近いように思う。

第10章「誰のために書くか」で作者はこう書いている。

・・言い換えれば僕は、読者とのあいだに太いまっすぐなパイプを繫ぎ、それを通してじかにやりとりをするシステムを、時間をかけて築き上げてきたということになるかもしれません。それはメディアや文芸業界といって「仲介業者」を(それほど)必要としないシステムです。そこでなによりも必要とされるのは言うまでもなく、著者と読者のナチュラルな、自然発生的な「信頼の感覚」です。・・(P265)

いわば、オルタナティブな小説家システム。


2015年11月28日土曜日

白洲次郎忌

いいとこのやんちゃん白洲次郎の忌

11月28日 享年83歳(胃潰瘍・内臓疾患)
毎日が忌日

2015年11月27日金曜日

Hey Brother

Hey Brother - Avicii

Wake Me Up


Hey brother, there’s an endless road to re-discover.
Hey sister, know the water's sweet but blood is thicker.
Oh, if the sky comes falling down for you,
There’s nothing in this world I wouldn’t do.

Hey brother, do you still believe in one another?
Hey sister, do you still believe in love, I wonder?
Oh, if the sky comes falling down for you,
There’s nothing in this world I wouldn’t do.

What if I'm far from home?
Oh, brother I will hear you call.
What if I lose it all?
Oh, sister I will help you out!
Oh, if the sky comes falling down for you,
There’s nothing in this world I wouldn’t do.

Hey brother, there’s an endless road to re-discover.
Hey sister, do you still believe in love, I wonder?
Oh, if the sky comes falling down for you,
There’s nothing in this world I wouldn’t do.

What if I'm far from home?
Oh, brother I will hear you call.
What if I lose it all?
Oh, sister I will help you out!
Oh, if the sky comes falling down for you,
There’s nothing in this world I wouldn’t do.



(参)和訳 "Hey Brother"

2015年11月26日木曜日

小林千登勢忌

おっかさん腰もみましょか千登勢の忌

11月26日 享年66歳(多発性骨髄腫)
毎日が忌日



動画は、28分頃から山本耕一・小林千登勢夫婦の話となる。

2015年11月25日水曜日

三島由紀夫忌

三島忌や生死は糾う縄のごと

11月25日 享年45歳(割腹自殺)
毎日が忌日



大正14年生まれの三島の満年齢は昭和の元号と一致する。

昭和20年2月、20歳の三島は出征のために兵庫で入隊検査を受けるのだが、たまたま母親から移された風邪を新米の軍医が肺浸潤と誤診し即日帰郷となっている。

その部隊はフィリピンへ送られ大多数が死傷し部隊は全滅したという。風邪の件がなければ、三島も戦死していたかもしれない。

この体験が三島に特異な死生観をもたらしたといわれているが、大いにありうることである。

(参)『絹と明察』- 松岡正剛の千夜千冊

2015年11月24日火曜日

テロル

冬麗ら誰かがテロルを待っている

大松博文忌

鬼と魔女高度成長大松忌

11月24日 享年57歳(心筋梗塞)
毎日が忌日

2015年11月23日月曜日

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage

Kindle.comで"Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage"を買った。

村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の英訳本である。2年ほど前に原作を読んでいるのだが、これも英文で<聴読>してみたくなって買ってみた。

前に読んだ"Norwegian Wood"とは違って、こちらはテキストと一緒にナレーションも購入できた。(ちなみにテキストが1360円、オーディオが特価で999円だった。リーゾナブルだと思う)

たぶん<Wispersync for Voice>という仕組みなのだろうが、キンドルで文字を見ながら同時にナレーションを聴くことができるようになっていた。ナレーションの部分には色がつき、ページも勝手にめくってくれるというスグレモノ。

他の村上春樹の作品を見ると、Audible.comにオーディオがあるのに、Kindleのテキストに対応していないもの(前の"Norwegian Wood"などもそうだ)があるのが残念だ。将来的にはすべてが対応されるのを願う。



(参考)「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」メモ1
(参考)「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」メモ2

樋口一葉忌

永遠に少女の邪険一葉忌

11月23日 享年24歳(肺結核)
毎日が忌日



(参)『たけくらべ』-松岡正剛の千夜千冊

2015年11月22日日曜日

Norwegian Wood

村上春樹の『ノルウェイの森』の英訳版"Norwegian Wood" を<聴読>した。

原作はずい分前に読んでいたが、今回はAudibleで英訳版を聴いてみようと思い、Audible.com(日本語版でない)に会員登録して(正確にいうとAmazon.comに会員登録すると自動的にAudible.comにも登録されるようだ)そのオーディオ版を手に入れた。(お試し期間があるので無料)

Audible "Norwegian Wood"

オーディオだけではさすがに読解の精度が落ちるだろうと思ったので、Kindle.comでテキストも購入した。(こちらは有料)

Kindle "Norwegian Wood"


まず気づいたのは、テキストとオーディオの内容が少し違っていることだ。イギリス英語をアメリカ英語に置き換えている。例えば、<underground>が<subway>に代わっているとか。それ以外の理由でも変更されている部分がかなりあった。

オーディオを聞いてとりわけ感銘を受けたのは、文字だけでは理解できない微妙な<feelings>を音声を通して感じることができたこと。いわば<読み聞かせ>を聴いてような感じ。

個々の言葉の意味が多少分からなくても、語りの流れに身を任せていると自然、物語の言葉に頭脳が慣れ親しんでくる。そして心がそのリズムに同期していく。まるでジョギングをしているように気分。

日本語で読んだ時はずいぶん翻訳調だなと思ったが、実際の翻訳をみるとやはり原作は日本語世界の作品だということがよく分かった。原文と翻訳ではその下地になる世界観がずいぶんと違う。言うまでもなく、言葉とは世界である。

たとえば、直子がワタナベのことをレイコに語る次の場面。

 「私はただもう誰にも私の中に入ってほしくないだけなの。もう誰にも乱されたくないだけなの」

英文ではこうなっている。

"I just don't want anybody going inside me again. I just don't want to be violated like that again --by anybody."

かなり両者のニュアンスが異なるのではないか。<乱される>と<violated>、意味の重なる部分もあるのだろうが、明らかに<violated>の方が暴力的・侵犯的なイメージが強い。セックスというものをどう捉えるかという根深い世界観の違いを感じさせる。ワタナベの行為が直子にどういうインパクトを与えたかという重要な箇所だけに興味深い相違である。


さて、この作品、日本語と英語のどちらが好きかと聞かれたらどうだろうか?

もちろん、日本語と言いたいところだが、今の私の脳に響いている声は、英語のそれである。


大宅壮一忌

総白痴化今も変らず壮一忌

11月22日 享年70歳(腎不全・心不全)
毎日が忌日

Wake Me Up

Wake Me Up - Avicii

Wake Me Up


Feeling my way through the darkness
Guided by a beating heart
I can't tell where the journey will end
But I know where to start

They tell me I'm too young to understand
They say I'm caught up in a dream
Well life will pass me by if I don't open up my eyes
Well that's fine by me

[2x]
So wake me up when it's all over
When I'm wiser and I'm older
All this time I was finding myself
And I didn't know I was lost

I tried carrying the weight of the world
But I only have two hands
Hope I get the chance to travel the world
But I don't have any plans

Wish that I could stay forever this young
Not afraid to close my eyes
Life's a game made for everyone
And love is the prize

[2x]
So wake me up when it's all over
When I'm wiser and I'm older
All this time I was finding myself
And I didn't know I was lost

Didn't know I was lost
I didn't know I was lost
I didn't know I was lost
I didn't know (didn't know, didn't know)


(参)和訳 "Wake Me Up"

2015年11月21日土曜日

立川談志(松岡克由)忌

訃報は談志が死んだ(回文)談志の忌

11月21日 享年75歳(咽頭癌)
毎日が忌日



彼が住んでいたという根津のマンションにあるたいやき屋さんを思い出す。

(参) 『童謡咄』立川談志-松岡正剛・千夜千冊

2015年11月20日金曜日

斎藤茂太忌

愉しんで生きる達人もたさん忌

11月20日 享年90歳(心不全)
毎日が忌日

2015年11月19日木曜日

吉井勇忌

かにかく忌酔った歌った恋をした

11月19日 享年74歳(肺癌)
毎日が忌日



「かにかく忌」は、吉井勇の有名な歌「かにかくに祇園は戀し寝るときも枕の下を水のながるる」から作った造語。

(参)吉井勇歌集-松岡正剛の千夜千冊

2015年11月18日水曜日

木村荘八忌

放蕩の筆先木村荘八忌

11月18日 享年65歳(脳腫瘍)
毎日が忌日

木村荘八は、(旧制)中学時代に学校には行かずに芝居と放蕩の生活を送ったそうだ。中学在学中に病欠して遊惰の道に踏み出した永井荷風と似てなくもないが、荘八の方が徹底して遊んだ気配がある。

また二人の大きな違いは、荷風が一匹狼的な行き方を選んだの対して、荘八は美術の仲間を持ったことであろう。その差が晩年の境遇の差となったように思える。

(参)木村荘八挿絵 @永井荷風「濹東綺譚」

(参)生誕120年 木村荘八 展 @東京ステーションギャラリー

2015年11月17日火曜日

熊谷の南


君もまた<母語>持つ人か熊谷の南にあるとふその町の声

地図見ればその町の名と同じ川ありて如何なる川かと思ふ

高からず抑揚乏しき君の声その地の女はかく生きたるや

川口浩忌

探検より怖いもの川口浩の忌

11月17日 享年51歳(食道癌・咽喉癌)
毎日が忌日


2015年11月16日月曜日

水の江瀧子忌

三浦ウメ子は別の人生ターキー忌

11月16日 享年94歳(老衰)
毎日が忌日



三浦ウメ子は出生名。三浦和義は彼女の甥である。
昭和36年というと、まだ彼女が日活のプロデューサーをしていた頃。

2015年11月15日日曜日

伊藤整忌

先生も哀れな男性伊藤整忌

11月15日 享年64歳(胃癌)
毎日が忌日



「哀れなる男性」は、彼の『女性に関する十二章』の中の一章。
動画の「吹雪の街を」は、伊藤整の詩集『雪明りの路』の女性たちに関する詩をもとに作られた男性合唱組曲。

Waiting for Love

Waiting For Love - Avicii

Wake Me Up


Where there's a will, there's a way, kind of beautiful
And every night has its day, so magical
And if there's love in this life, there's no obstacle
That can't be defeated

For every tyrant a tear for the vulnerable
In every lost soul the bones of a miracle
For every dreamer a dream we're unstoppable
With something to believe in

Monday left me broken
Tuesday I was through with hoping
Wednesday my empty arms were open
Thursday waiting for love, waiting for love
Thank the stars it's Friday
I'm burning like a fire gone wild on Saturday
Guess I won't be coming to church on Sunday
I'll be waiting for love, waiting for love
To come around

We are one of a kind irreplaceable
How did I get so blind and so cynical
If there's love in this life we're unstoppable
No we can't be defeated

Monday left me broken
Tuesday I was through with hoping
Wednesday my empty arms were open
Thursday waiting for love, waiting for love
Thank the stars it's Friday
I'm burning like a fire gone wild on Saturday
Guess I won't be coming to church on Sunday
I'll be waiting for love, waiting for love
To come around


(参)和訳 "Waiting for Love"

2015年11月13日金曜日

秩父宮の夜

入り口の人ごみ恐らくは半分はラグビー場は初めての人

唐揚げもサンドイッチも枝豆も出店の値札みな五百円

ビール飲み柿ピー頰ばりラグビー観るコロッセウムの気分少しく

得点の入らぬチームの声援を幼子一人止めずに声上ぐ

幼子の声に合せてフレーフレーと言へば隣の君は笑ひぬ

笑む時に君の眦やや緩みやがて戻れり真面目と思ふ

熱烈なカープファンだといふ君の応援姿ああ見てみたい

幼子の声に合せて声援する人の増えれば初トライなり

ワントライ5点のみにて敗れしもニケの微笑み此方に向きけん

2015年11月12日木曜日

島尾敏雄忌

みな出発待つ身島尾敏雄の忌

11月12日 享年69歳(脳梗塞)
毎日が忌日



2015年11月11日水曜日

淀川長治忌

復活の徴はサヨナラ長治忌

11月11日 享年89歳(心不全)
毎日が忌日



動画の最初の部分だけ御覧ください。後は何かの宣伝のようです。

(参)淀川長治忌 - 昨年の忌日俳句

2015年11月10日火曜日

高倉健忌

日本人極め尽して健さん忌 

11月10日 享年83歳(悪性リンパ腫)
毎日が忌日


2015年11月7日土曜日

越路吹雪忌

越路忌や夫婦の讃歌も歌い上げ

11月7日 享年56歳(胃癌)
毎日が忌日



死の直前、意識が朦朧とした状態でも夫のことを気遣っていたという。

2015年11月6日金曜日

松田優作忌

愛憎を均す間もなく優作忌

11月6日 享年40歳(膀胱癌)
毎日が忌日



<出生の重さ>をはね返そうとした人生だったかもしれない。

2015年11月5日木曜日

安田伸忌

こんな人も入っていたかと安田伸忌

11月5日 享年64歳(急性心筋梗塞)
毎日が忌日



申し訳ないが大人になってこんな人もクレージーキャッツにいたんだなと思った人。

2015年11月4日水曜日

林家珍平忌

てえへんだ生きるも死ぬも珍平忌

11月4日 享年60歳(心筋梗塞)
毎日が忌日

2015年11月2日月曜日

北原白秋忌

子を泣かせ母を泣かせて白秋忌

11月2日 享年57歳
毎日が忌日



松岡正剛の千夜千冊に出てくる『雨』だが、作詞は白秋の二度目の妻・江口章子。