2014年11月30日日曜日

蛇崩をゆく

欠伸せば喉の奥処に痛みありけふ蛇崩を歩みゆきたる

2014年11月28日金曜日

東の空

東(ひんがし)の空の茜を目にとどめ水道みちから駅へと下る

白洲次郎忌

生まれながらの主人公白洲次郎の忌

2014年11月27日木曜日

2014年11月26日水曜日

2014年11月25日火曜日

2014年11月21日金曜日

返り花

あの時のあそこにふたたび返り花

老いらくの毒婦ありとふ返り花 

2014年11月20日木曜日

2014年11月19日水曜日

2014年11月18日火曜日

筋肉痛

背(せな)にある筋肉痛のぢれつたく電車の中で身を捩りをり

身のほてりやがて冷めゆき今朝もまた始発電車の一客となる

大くさめ

人のいぬ時にしめしめ大くさめ

2014年11月17日月曜日

朝の改札

様々のにほひとともに流されて朝の改札滞り過ぐ

東雲の空に似げなく高並ぶ皇帝ダリアを見て過ぎぬ 

少女の瞳

四十余若き少女の瞳にはわが薄れゆく炎(ほ)も見ゆらんか

肩越しに身を捩りつつ富士を見る二子玉川鉄橋のうへ 

冬の草

運不運いる場所次第冬の草

2014年11月16日日曜日

銀杏並木

葉の縁より色づく木もあり散る前の銀杏並木をたまさか過ぎぬ

ゆるゆると走ればかつて来し並木通りにいちやう今色づきぬ

河原より帰り来るか宵闇の木々の梢にはくせきれい群る 

初霜

初霜や古代へ続く尾根の道

2014年11月15日土曜日

ハクセキレイ

駅前の電飾の木に白き鳥群れて鳴きをりひとりし見上ぐ

夕暮のビル黒々と静まりて白き鳥ども群れ来て鳴けり 

干蒲団

干蒲団高層団地の北南

それぞれの夜もさよなら干蒲団

2014年11月10日月曜日

2014年11月9日日曜日

眠れぬ夜

長く深く眠れぬ夜の続きゐて身は軽躁のそれになりゆく

2014年11月8日土曜日

白き鷺

夕暮れの浅瀬に白き鷺群れてあと幾時の待ちとも知れず

2014年11月7日金曜日

水面の輝き

一面に水面(みなも)は耀き車窓過ぐ中には人々の項垂れ立つも

無意識の自分と思へて胃のあたり重く寂しく溜め息をつく

草木の茂れる崖の半ばには小家のありて朝日いまだし

午後四時の睡魔

午後四時の睡魔抗ひがたく来てわが死期もかくあらめとぞ思ふ

越路吹雪忌

親友は少女のままに吹雪の忌

2014年11月6日木曜日

水なき窪地

ゆるやかに坂道下りて四つ辻に立てば水なき窪地に居りぬ

2014年11月4日火曜日

塔のマンション

まやかしの色と思へど栗色の髪を見ながら話を聞きつ

地形図の水色の地に塔のごとく立つマンションを君は出でしか