寺田寅彦忌

天災は忘れちやならん寅彦忌

１２月３１日

大晦日

紅白や幼いころから隣部屋

紅白や世間虚仮と誰かいふ

片耳に警鐘遠のく大晦日

大年やあくがれ歩きの頃なども

年の暮

大家族競つて騒ぐ年の暮

冬銀河

異邦人名前つぶやく冬銀河

冬銀河地に棲む者に常夜灯

沖合に蒸気船の灯冬銀河

悲しみは気づかぬ喪失冬銀河

枯野原

旅人の枯野出づれば高速道

愛想も礼儀も消えて枯野原

人の世も枯野にもどる幾千年

聖夜

電飾の家ひつそりと聖夜かな

居留地の中にぎはしき聖夜かな

枯蟷螂

敵に背を見せたことなし枯蟷螂

市ヶ尾

冬の日や階段長き住宅街

冬の日や旧道残る平行路

いづこにも名なき稲荷社花八ツ手

うたう坂

うたう坂下れば日残る冬至かな

進藤英太郎忌

おやじ太鼓途絶えて進藤英太郎忌

岸田今日子忌

12月17日

ムーミンを脱いだら岸田今日子の忌

冬牡丹

十年はまだ胸のうち冬牡丹

義士の日

義士の日や義子も義姉も義歯技師も

切通の土手

切通の土手の枯茎直（すぐ）に立ち朝日浴びたり通過の駅に

捨てられし蜜柑

今朝もまだ捨てられし蜜柑道にあり紙袋より二つ三つ出でて

田河水泡忌

のらくろの駆け足号令水泡忌

千石剛賢忌

ホンモノもおっちゃん？千石剛賢（たけよし）忌

山本七平忌

みんなの中の日本軍七平忌

玉川鉄橋

窓ガラスすつかり曇りて手で拭ふ玉川鉄橋けふの富士見ゆ

消防車

絵本見て仕事になるまで消防車

裏横浜

今年最後の満月の下酔ひ酔ひて帷子川過ぐ男女三人（みたり）で

裏横浜などといふ地を教へられビニール簾の中で酒飲む

大雪

大雪やファド聴きながら海へゆく

崖下の駅

崖下なる駅に各停留まりて冬光の影となり人憩ふ

墓地下

墓地下に昔川あり枇杷の花

冬日向

冬日向歌人の暮らす養鶏場

ザビエル忌

血液型RH－だったかもザビエル忌

足下の流れ

いましがた雨ふりそめて朝の駅火花散らせて電車は過ぎぬ

歩きゆく足下はいかなる流れなるか荒ぶる気配すでになくて

蛇崩をゆく

欠伸せば喉の奥処に痛みありけふ蛇崩を歩みゆきたる

東の空

東（ひんがし）の空の茜を目にとどめ水道みちから駅へと下る

白洲次郎忌

生まれながらの主人公白洲次郎の忌

淀川長治忌

サヨナラは三回淀川長治忌

うたた寝

うたた寝に見たりし夢も醒めしとき膝の書籍を落として忘れき

革ジャン

革ジャンの彼女に追いつく帰り道

かいつぶり

沈む瀬も浮かぶ瀬もありかいつぶり

返り花

あの時のあそこにふたたび返り花

老いらくの毒婦ありとふ返り花 

実千両

実千両終りよければほとんどよし

木守柿

往還の家並みさびれて木守柿

筋肉痛

背（せな）にある筋肉痛のぢれつたく電車の中で身を捩りをり

身のほてりやがて冷めゆき今朝もまた始発電車の一客となる

大くさめ

人のいぬ時にしめしめ大くさめ

朝の改札

様々のにほひとともに流されて朝の改札滞り過ぐ

東雲の空に似げなく高並ぶ皇帝ダリアを見て過ぎぬ 

少女の瞳

四十余若き少女の瞳にはわが薄れゆく炎（ほ）も見ゆらんか

肩越しに身を捩りつつ富士を見る二子玉川鉄橋のうへ 

冬の草

運不運いる場所次第冬の草

銀杏並木

葉の縁より色づく木もあり散る前の銀杏並木をたまさか過ぎぬ

ゆるゆると走ればかつて来し並木通りにいちやう今色づきぬ

河原より帰り来るか宵闇の木々の梢にはくせきれい群る 

初霜

初霜や古代へ続く尾根の道

ハクセキレイ

駅前の電飾の木に白き鳥群れて鳴きをりひとりし見上ぐ

夕暮のビル黒々と静まりて白き鳥ども群れ来て鳴けり 

干蒲団

干蒲団高層団地の北南

それぞれの夜もさよなら干蒲団

草野心平忌

最期には蛙に還るか心平忌

女子高生

女子高生競ふごとくに悪口を言ひ合ふ悪ぶる年頃とかや

森繁久彌忌

ちとふなに名残す森繁久彌の忌

眠れぬ夜

長く深く眠れぬ夜の続きゐて身は軽躁のそれになりゆく

白き鷺

夕暮れの浅瀬に白き鷺群れてあと幾時の待ちとも知れず

水面の輝き

一面に水面（みなも）は耀き車窓過ぐ中には人々の項垂れ立つも

無意識の自分と思へて胃のあたり重く寂しく溜め息をつく

草木の茂れる崖の半ばには小家のありて朝日いまだし

午後四時の睡魔

午後四時の睡魔抗ひがたく来てわが死期もかくあらめとぞ思ふ

越路吹雪忌

親友は少女のままに吹雪の忌

水なき窪地

ゆるやかに坂道下りて四つ辻に立てば水なき窪地に居りぬ

安田伸忌

何事も一筋安田伸の忌

塔のマンション

まやかしの色と思へど栗色の髪を見ながら話を聞きつ

地形図の水色の地に塔のごとく立つマンションを君は出でしか

橋本左内忌

泣く勇気ありや橋本左内の忌

真鍋博忌

新世紀あと二か月真鍋博の忌

マキノ雅弘忌

ドーハの悲劇知らずにマキノ雅弘忌

洲之内徹忌

閉館も突然洲之内徹の忌

フランク永井忌

真相も夜霧フランク永井の忌

渡辺粂子忌

死ぬときもひとり渡辺粂子の忌

稲垣足穂忌

広辞苑と猫と聖書とタルホの忌

幻の川

自動車の流れ橋下に見下ろせば幻の川いつか顕つらん

谷戸川の荒るる日おもふ公園の見えぬ貯水地じわじわと草

北杜夫忌

禁治産者あるいは王様マンボウ忌

車窓の露

長々し一週間の半ばにて朝の車窓は露に閉ざせり

山本夏彦忌

晴れていま笑う山本夏彦忌

中原中也忌

ランボオも乱暴も好き中也の忌

エジソン忌

発明王しかして訴訟王エジソン忌

ショパン忌

葬送に姿なき人ショパンの忌

マリー・アントワネット忌

一死もて永遠アントワネットの忌

マタ・ハリ忌

悩殺は銃より強しマタ・ハリ忌

横山まさみち忌

オットセイといえば横山まさみち忌

ミヤコ蝶々忌

夫婦共に住めばミヤコ蝶々忌

種田山頭火忌

火の山の残り火山頭火の忌

小野十三郎忌

足掛け二十世紀小野十三郎忌

中村元忌

涅槃とは安らぎ中村元の忌

石坂洋次郎忌

老衰も易からず石坂洋次郎忌

久生十蘭忌

東京が魔都なりし頃十蘭忌

緒形拳忌

病にも律儀に向き合う緒形拳忌

東海林太郎忌

一曲に命がけ東海林太郎の忌

花登筺忌

番頭消え丁稚消え花登筺の忌

マルセル・デュシャン忌

死ぬときは自分が他人デュシャンの忌

ジェームス・ディーン忌

世界一モテる墓石ディーンの忌

遠藤周作忌

苦難ゆゑ人たり遠藤周作忌

アンドレ・ブルトン忌

父のもと子らみな去りぬブルトン忌

運動会

崖下の歓声覗く運動会

大友柳太朗忌

獅子身中の敵あり大友柳太朗の忌

小泉八雲忌

見せる顔と見せない顔あり八雲の忌

夢路いとし忌

ぼけ道を極めて夢路いとしの忌

丹波哲郎忌

帰れない隣町丹波哲郎忌

京塚昌子忌

割烹着といえば京塚昌子の忌

横井庄一忌

よっこいしょと適応横井庄一忌

宮沢賢治忌

天災と共に来て去る賢治の忌

今東光忌

傑僧に賢妻ありて東光忌

ジミー・ヘンドリクス忌

ついに日本にギターは勃たずジミヘン忌

若山牧水忌

旅一生酒も一升牧水忌

マリア・カラス忌

絶頂期儚くマリア・カラスの忌

土門拳忌

鬼に鬼神も避くる土門拳の忌

棟方志功忌

ひとおもひにほれてほれぬく志功の忌

源氏鶏太忌

昭和とともに去りぬ源氏鶏太の忌

夏目雅子忌

永遠のお嬢さん夏目雅子の忌

山村美紗忌

夜は別の顔山村美紗の忌

富田木歩忌

人ありて命を背負う木歩の忌

山口瞳忌

優雅な旅立ち山口瞳の忌

チャールズ・リンドバーグ忌

「翼よ」と言ったかリンドバーグの忌

イワン・ツルゲーネフ忌

女の毒を恐れてツルゲーネフ忌

大野林火忌

林火忌やねむりて開く魂の花

敗戦忌

青鬼が後ろで笑ふ敗戦忌

ジョージ・スティーブンソン忌

産業と戦争の道スティーブンソン忌

ヘルマン・ヘッセ忌

少年に善と悪交るヘッセの忌

原爆忌

別の世では途絶えた家系原爆忌

何でも水に流してはいけない原爆忌

赤塚不二夫忌

笑う門に愛来る赤塚不二夫の忌　

熊谷守一忌

長生の極意やも熊谷守一忌

谷崎潤一郎忌

封印の寂の一文字潤一郎忌

フィンセント・ファン・ゴッホ忌

絵の中で絵を描く男ゴッホの忌　

蝉柄

蝉柄もあらん葉先にゆるる殻

芥川龍之介忌

河童忌や煙草眠剤文士宿

河童忌

河童忌や煙草眠剤文士宿

大暑

父も母も肩身の狭い大暑かな

大暑

父も母も肩身の狭い大暑かな

杉浦日向子忌

日向子忌や今ごろ大川夕涼み　

毎日が忌日: 7月22日

江藤淳忌

自死という名の自殺江藤淳の忌　

毎日が忌日: 7月21日

川端茅舎忌

病床の眼澄みたり茅舎の忌

毎日が忌日: 7月17日

カラヤン忌

来世はF1ドライバー　カラヤン忌　

毎日が忌日: 7月16日

山下清忌

自由への逃走山下清の忌　

毎日が忌日: 7月12日

井伏鱒二忌

人生は酔うてサヨナラ鱒二の忌　

毎日が忌日: 7月10日

ヴィヴィアン・リー忌

躁鬱の死して止むヴィヴィアン・リー忌　

毎日が忌日: 7月8日

マリ・キュリー忌

滅びの火知らずに熾すキュリー忌　

毎日が忌日: 7月4日

ノストラダムス忌

大予言大儲けストラダムス忌　

毎日が忌日: 7月2日

マーロン・ブランド忌

一生涯一反抗児ブランド忌　

毎日が忌日: 7月1日

金子光晴忌

絶望せぬ日本に絶望光晴忌　

毎日が忌日: 6月30日

滝廉太郎忌

歌は永く生きて滝廉太郎の忌　

毎日が忌日:　滝廉太郎忌 6月29日

林芙美子忌

芙美子忌や愛より他にナニカアル　

毎日が忌日: 6月28日

トーベ・ヤンソン忌

愛煙家の理想郷トーベ・ヤンソン忌　

毎日が忌日: 6月27日

ミシェル・フーコー忌

学校は＜かんごく＞と読むフーコー忌　

毎日が忌日: 6月25日

美空ひばり忌

ひばり忌や清濁流るる歌の川　

毎日が忌日: 6月24日

宗左近忌

こんちくしょうと生き延びて宗左近の忌　

毎日が忌日: 6月20日

桜桃忌

遠巻きの世間と亡骸桜桃忌

バクーニン忌

アナキスト世界を駆けるバクーニン忌　

毎日が忌日: 6月19日

松村達雄忌

おいちゃんも端役も松村達雄の忌　

毎日が忌日: 6月18日

出門英忌

遺伝子も傷つきやすく出門英忌　

毎日が忌日: 6月17日

ジョージ・リーブス忌

苦も楽も人生ジョージ・リーブス忌　

毎日が忌日: 6月16日

今西錦司忌

変わるべき時知る今西錦司の忌　

毎日が忌日: 6月15日

ボルヘス忌

幻想の図書館館長ボルヘス忌　

毎日が忌日: 6月14日

太宰治忌

桜桃忌いまも寄り来る女の手　

毎日が忌日: 6月13日

山崎富栄忌

女には女の戦い富栄の忌　

毎日が忌日: 6月13日

ナンシー関忌

カッターで切り捨てナンシー関の忌　

毎日が忌日: 6月12日

宇野千代忌

十一軒男も添えて宇野千代忌　

毎日が忌日: 6月10日

有島武郎忌

心中に後なし有島武郎忌　

毎日が忌日: 6月9日

マリー・ローランサン忌

近眼の空想世界ローランサン忌　

毎日が忌日: 6月8日

ヘンリー・ミラー忌

文なくば狒々爺ヘンリー・ミラーの忌　

毎日が忌日: 6月7日

飯島晴子忌

一死もて一句としたる晴子の忌　

毎日が忌日: 6月6日

森茉莉忌

貧乏も贅を凝らして森茉莉忌　

毎日が忌日: 6月6日

高橋新吉忌

ダダだっと大悟高橋新吉忌　

毎日が忌日: 6月5日

カサノヴァ忌

老人は追憶の性カサノヴァ忌　

毎日が忌日: 6月4日

左卜全忌

老人の道極めたり卜全忌　

毎日が忌日: 5月26日

ロバート・キャパ忌

偉大なるキャパにキャパ成るキャパ忌かな　

毎日が忌日: 5月25日

升田幸三忌

嗚呼新手一生升田幸三忌



－1991年4月5日、73歳で死去－

（参考）升田幸三　－Wikipedia

杉村春子忌

一生涯女優杉村春子の忌



－1997年4月4日、膵臓癌のため91歳で死去－

（参考）杉村春子　－Wikipedia

石井桃子忌

雲に乗る頃あり石井桃子の忌

－2008年4月2日、老衰で101歳で死去－

（参考）石井桃子　－Wikipedia

西東三鬼忌

恐るべきものだらけの国三鬼の忌

－1962年（昭和37年）4月1日、胃癌のために61歳で死去－

（参考）西東三鬼　－Wikipedia

アンネ・フランク忌

本破るべからずアンネ・フランクの忌



－ 1945年3月上旬、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で死去。享年15歳－

（参考）アンネ・フランク　－Wikipedia

笠置シヅ子忌

愛一筋ブギの女王シヅ子の忌



－1985年（昭和60年）3月30日、卵巣癌のため70歳で死去－

（参考）笠置シヅ子　－Wikipedia

立原道造忌

春よ春やさしい歌よ道造忌



－1939年（昭和14年）3月29日、結核のため24歳で死去－

（参考）立原道造忌　－Wikipedia

レイモンド・チャンドラー忌

年上の愛しき人よチャンドラー忌



－1959年3月26日、肺末梢血管ショックと腎前性尿毒症で死去。享年70歳－

（参考）レイモンド・チャンドラー　－Wikipedia

青木繁忌

海の幸ひとつぶ青木繁の忌



－1911年3月25日、放浪生活の末に28歳で死去－

（参考）青木繁　－Wikipedia

梶井基次郎忌

檸檬忌や詩と死の狭間の一狂気



－1932年（昭和7年）3月24日、肺結核のため31歳で死去－

（参考）梶井基次郎　－Wikipedia

堀口大學忌

世界見て日本語愛す大學忌

－1981年（昭和56年）3月15日、89歳で死去－

（参考）堀口大學　－Wikipedia

（参考）月下の一群　－松岡正剛の千夜千冊

鈴木真砂女忌

真砂女忌や大波小波に卯波かな

－2003年3月14日、96歳で死去－

（参考）鈴木真砂女　－Wikipedia

（参考）恋歌　恋句

原民喜忌

人間が業火の火種民喜の忌

－1951年（昭和26年）3月13日、国鉄西荻窪駅付近で鉄道自殺。享年45歳－

（参考）原民喜　－Wikipedia

（参考）原民喜句集（杞憂句集）

孫文忌

革命は政治も愛も孫文忌

－1925年3月12日、58歳で死去－

（参考）孫文　－Wikipedia

（参考）孫文が愛した日本人妻、求婚時は14歳

夢野久作忌

今生は胎児の見る夢久作忌

－1936年（昭和11年）3月11日、来客の応接中に脳溢血で急死。享年47歳－

（参考）夢野久作　－Wikipedia

金子みすゞ忌

みんないい、みんなちがってみすゞの忌



－1930年（昭和5年）3月10日、服毒自殺。享年26歳－

（参考）金子みすゞ　－Wikipedia

マゾッホ忌

忍従という名の遊戯マゾッホ忌

－1895年3月9日、59歳で死去－

（参考）ザッハー＝マゾッホ　－Wikipedia

（参考）毛皮を着たヴィーナス　－松岡正剛の千夜千冊

ジョー・ディマジオ忌

野球も愛も一筋ディマジオ忌

Joseph Paul DiMaggio


－1999年3月8日、肺がんで死去。享年84歳－

（参考）ジョー・ディマジオ　－Wikipedia

上田トシコ忌

フイチンさん今こそ上田トシコの忌



－2008年3月7日、心臓麻痺により死去。享年90歳－

（参考）上田トシコ　－Wikipedia

荒畑寒村忌

長寿の秘訣は＜運動＞寒村忌

－1981年（昭和56年）3月6日、93歳で死去－

（参考）荒畑寒村　－Wikipedia

岸田國士忌

転向か変身か岸田國士の忌

－1954年（昭和29年）3月5日、舞台稽古中に脳卒中に襲われ死去。享年63歳－

（参考）岸田國士　－Wikipedia

（参考）岸田國士の変身　－甘口辛口

半村良忌

嘘超えた嘘つく嘘屋の半村良忌

－2002年3月4日、肺炎のため死去した。享年68歳－

（参考）半村良　－Wikipedia

アーサー・ケストラー忌

機械から幽霊が出るケストラー忌

－1983年3月3日、夫人と共にバルビツール剤を用いて服毒自殺。享年77歳－

（参考）アーサー・ケストラー　－Wikipedia

フィリップ・K・ディック忌

現実という名の幻想ディックの忌

－1982年3月2日、53歳で死去－

（参考）フィリップ・K・ディック　－Wikipedia

小林秀雄忌

宣長の眼となり手となり秀雄の忌



－1983年（昭和58年）3月1日、腎不全のため死去。享年80歳－

（参考）小林秀雄　－Wikipedia

田中小実昌忌

かぶりつき人生満喫小実昌忌

－2000年（平成12年）2月26日、ロサンゼルスにて肺炎のため客死。享年74歳－

（参考）田中小実昌　－Wikipedia

網野善彦忌

列島は架け橋網野善彦忌

－2004年（平成16年）2月27日、肺癌で死去。享年76歳－

（参考）網野善彦　－Wikipedia

横山大観忌

主食は酒と肴大観忌

－1958年（昭和33年）2月26日、89歳で死去－

（参考）横山大観　－Wikipedia

ヨハネス・グーテンベルク忌

贖宥も増刷グーテンベルクの忌

Johannes Gutenberg


－1468年2月3日、68～74歳で死去－

（参考）ヨハネス・グーテンベルク　－Wikipedia

小林多喜二忌

見ぬふりの蟹工船や多喜二の忌



－1933年（昭和8年）2月20日、特高による拷問で死去。享年29歳－

（参考）小林多喜二　－Wikipedia

アンドレ・ジッド忌

純愛なるが故に背徳ジッドの忌

－1951年2月19日、81歳で死去－

（参考）アンドレ・ジッド　－Wikipedia

バルテュス忌

曇りなき眼には天使バルテュス忌

Balthus


－2001年2月18日、92歳で死去－

（参考）バルテュス　－Wikipedia

坂口安吾忌

安吾忌や堕落も高貴もない国で



－1955年（昭和30年）2月17日、脳出血により死去。享年49歳－

（参考）坂口安吾　－Wikipedia

キース・ヘリング忌

落書きかアートかキース・ヘリング忌

Keith Haring


－1990年2月16日、AIDSにより31歳で死去－

（参考）キース・ヘリング　－Wikipedia

正すこと

正すことあるかに抓む木の芽和

リチャード・P・ファインマン忌

女性には理論より実践ファイマン忌

Richard Phillips Feynman


－1988年2月15日、癌で死去。享年69歳－

（参考）リチャード・P・ファインマン　－Wikipedia

里山

里山は老若寄り合う春満月

山本周五郎忌

人情の国であれ周五郎の忌

－1967年（昭和42年）2月14日、肝炎と心臓衰弱のため死去。享年63歳－

（参考）山本周五郎　－Wikipedia

江利チエミ忌

運不運天性かも江利チエミの忌



－1982年2月13日、脳卒中と吐瀉物が気管に詰まっての窒息で死去。享年45歳－

（参考）江利チエミ　－Wikipedia

惜しみなく奪う

惜しみなく奪う頃あり春氷

チャールズ・M・シュルツ忌

ピーナッツですべて学んだシュルツの忌

Charles Monroe Schulz


－2000年2月12日、結腸癌を患って死去。享年77歳－

（参考）チャールズ・M・シュルツ　－Wikipedia

志村喬忌

何遺す人生志村喬の忌



－1982年（昭和57年）2月11日、慢性肺気腫による肺性心で死去。享年76歳－

（参考）志村喬　－Wikipedia

いつか去る

いつか去るところと思えば梅見かな

言霊

言霊の先細る国建国日

腹腔の底

腹腔の底へにじわと込み上ぐる不安を弥陀とおもひて証す

岡田嘉子忌

恋の火の燃え尽き岡田嘉子の忌

－1992年2月10日、モスクワの病院で死去。享年89歳－

（参考）岡田嘉子　－Wikipedia

眠剤

何錠で眠れる春の雪しずり

手塚治虫忌

治虫忌や鉛筆ほしいと最期まで



－1989年（平成元年）2月9日、胃癌のために60歳で死去－

（参考）手塚治虫　－Wikipedia

祭りの日

ことごとく戦ふ男ら殺されて未亡人哭く祭りの日にも

ジョン・フォン・ノイマン忌

原爆の悪夢わき出るノイマン忌

John von Neumann


－1957年2月8日、すい臓癌で死去。享年53歳－

（参考）ジョン・フォン・ノイマン　－Wikipedia

岩崎弥太郎忌

動乱期に濡れ手で岩崎弥太郎忌

－明治18年（1885年）2月7日、50歳で死去－

（参考）岩崎弥太郎　－Wikipedia

グスタフ・クリムト忌

ファム・ファタルとは死の異称クリムト忌

Gustav Klimt


－1918年2月6日、脳梗塞と肺炎により死去。享年５５歳－

（参考）グスタフ・クリムト　－Wikipedia

通勤路

寒戻るあとしばらくの通勤路

マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー忌

TMは商標じゃないマハリシ忌

Maharishi Mahesh Yogi


－2008年2月5日、91歳で死去－

（参考）マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー　－Wikipedia

警官

立春や警官いくたり角に立つ

春の雪

男らの真顔の向こうに春の雪

カレン・カーペンター忌

低音の魔法カレン・カーペンター忌

Karen Anne Carpenter


－1983年2月4日、摂食障害による急性心不全のため死去。享年32歳－

（参考）カレン・カーペンター　－Wikipedia

節分会

息子にも鬼の頃あり節分会

福澤諭吉忌

キャンパスが終焉の地に福翁忌

－明治34年（1901年）2月3日、66歳で死去－

（参考）福澤諭吉　－Wikipedia

バートランド・ラッセル忌

絨毯の部屋で懲役ラッセル忌

－1970年2月2日、97歳で死去－

（参考）バートランド・ラッセル　－Wikipedia

ヨハン・ホイジンガ忌

お遊戯が人の源ホイジンガの忌

－1945年2月1日、72歳で死去－

（参考）ヨハン・ホイジンガ　－Wikipedia

胃腸とともに

目覚めれば胃腸とともに二月かな

居ても立っても

寒梅や居ても立っても明日が来る

西周忌

＜哲学＞の生みの親西周の忌

－明治30年（1897年）1月31日、67歳で死去－

（参考）西周　－Wikipedia

マハトマ・ガンディー忌

偉人には偉大な混乱ガンジー忌

Mohandas Karamchand Gandhi


－1948年1月30日、ヒンドゥー原理主義者に暗殺される。享年78歳－

（参考）マハトマ・ガンディー　－Wikipedia

藤田嗣治忌

猫と女大好き藤田嗣治忌

Léonard Tsuguharu Foujita


－1968年1月29日、スイスのチューリヒでガンのため死去。去年81歳－

（参考）藤田嗣治　－Wikipedia

フョードル・ドストエフスキー忌

いつも死の家ドストエフスキーの忌

－1881年2月9日〔ユリウス暦1月28日〕、59歳で死去－

（参考）フョードル・ドストエフスキー　－Wikipedia

野口雨情忌

啄木と机を並べ雨情の忌

－1945年（昭和20年）1月27日、62歳で死去－

（参考）野口雨情　－Wikipedia

昔語り

青年と昔語りする時雨かな

藤沢周平忌

大平の武士の生き様周平忌



－1997年（平成9年）1月26日、69歳で死去－

（参考）藤沢周平　－Wikipedia

アル・カポネ忌

自称家具販売業アル・カポネの忌

－1947年1月25日、48歳で死去－

（参考）アル・カポネ　－Wikipedia

アメデオ・モディリアーニ忌

泣く瞳ない顔モディリアーニの忌

Amedeo Clemente Modigliani


－1920年1月24日、35歳で死去－

（参考）アメデオ・モディリアーニ　－Wikipedia

エドヴァルド・ムンク忌

叫びたくなるのは値段ムンクの忌

Edvard Munch


－1944年1月23日、80歳で死去－

（参考）エドヴァルド・ムンク　－Wikipedia

冬の影

明日は明日の顔して冬の影

ヒース・レジャー忌

ジョーカーに魅入られてヒース・レジャーの忌

Heath Andrew Ledger


－2008年1月22日、急性薬物中毒により事故死。享年28歳－

（参考）ヒース・レジャー　－Wikipedia

ジョージ・オーウェル忌

すでにいるビッグ・ブラザー、オーウェル忌

George Orwell


－結核に羅患。『１９８４』を書き終えた翌年1950年1月21日、46歳で死去－

（参考）ジョージ・オーウェル　－Wikipedia

雪にならぬ雨

雪になる雨ならぬ雨通知待つ

小暗き町

大寒や月下小暗き町に棲む

ジャン＝フランソワ・ミレー忌

種をまくバルビゾン村ミレーの忌

Jean-François Millet


－1875年1月20日、60歳で死去－

（参考）ジャン＝フランソワ・ミレー　－Wikipedia

出口王仁三郎忌

宗教家か芸術家か王仁三郎忌

－1948年（昭和23年）1月19日、76歳で死去－

（参考）出口王仁三郎　－Wikipedia

牧野富太郎忌

妻の名がササの名牧野富太郎忌



－1957年（昭和32年）1月18日、94歳で死去－

（参考）牧野富太郎　－Wikipedia

並走電車

併走の電車のように冬うらら

カルロ・ドルチ忌

仰げば信仰カルロ・ドルチの忌

Carlo Dolci


－1686年1月17日、79歳で死去－

（参考）カルロ・ドルチ　－Wikipedia

寒月の町

寒月の町やこの世のように去る

アンドリュー・ワイエス忌

風景もメランコリックにワイエス忌

Andrew Wyeth


－2009年1月16日、91歳で死去－

（参考）アンドリュー・ワイエス　－Wikipedia

イヴ・タンギー忌

宇宙にはこんな世界もイヴ・タンギーの忌

Yves Tanguy


－1955年1月15日、脳卒中で倒れ死去。享年55歳－

（参考）イヴ・タンギー　－Wikipedia

ルイス・キャロル忌

虚々実々アリスの神話ドジソン忌

Lewis Carroll(Charles Lutwidge Dodgson)


－1898年1月14日、インフルエンザから併発した肺炎で死去。享年65歳－

（参考）ルイス・キャロル　－Wikipedia

冬北斗

見上げればぶら下がっている冬北斗

二人ゆけば

日脚伸ぶ二人でゆけば二人来る

スティーブン・フォスター忌

楽しくて最期悲しきフォスター忌

Stephen Collins Foster


－1864年1月13日、粉々に割れた洗面台のそばで大量出血。37歳で死去－

（参考）スティーブン・フォスター　－Wikipedia
（参考）アメリカ民謡の父　スティーブン・フォスター

ピエール・ド・フェルマー忌

三百年プロを悩ますフェルマー忌

Pierre de Fermat


－1665年1月12日、６３歳で死去。フェルマーの最終定理は1995年に証明された－

（参考）ピエール・ド・フェルマー　－Wikipedia

関東平野

空風や関東平野を陰間ゆく

上村一夫忌

やがて悲しきエロス上村一夫の忌



－下咽頭腫瘍で入院。1986年1月11日、死去。享年45歳－

（参考）上村一夫　－Wikipedia

気配

屈まるは人の気配の枯野かな

ナポレオン3世忌

皇帝の夢ふたたびルイ・ナポレオン忌

Charles Louis-Napoléon Bonaparte


－1873年1月9日、亡命先のイギリスで死去。享年64歳－

（参考）ナポレオン3世　－Wikipedia

履物を脱ぐ

履物も脱ぐものと思う新年会

マルコ・ポーロ忌

どこまでがホント？マルコ・ポーロの忌

Marco Polo


－1324年1月8日、69歳で死去－

（参考）マルコ・ポーロ　－Wikipedia

六日

店の客各々小暗い六日かな

グレゴール・ヨハン・メンデル忌

科学する修道院長メンデル忌

Gregor Johann Mendel


－1884年1月6日、61歳で死去。死後、業績が認められる－

（参考）グレゴール・ヨハン・メンデル　－Wikipedia

黒い川面

冬の日の黒い川面に波頭立つ

眠れぬ夜

小寒や眠れぬ夜に父がいる

初昔

あんな子がそんな子になる初昔

アンリ・ベルクソン忌

人類の友の死さびしきベルクソン忌

－1941年1月4日、ドイツ軍占領下のパリで風邪をこじらせて死去。享年81歳－

（参考）アンリ・ベルクソン　－Wikipedia

エドガー・ケイシー忌

予言では日本水没ケーシー忌

Edgar Cayce　


－1945年1月3日、67歳で死去。1998年に転生すると予言－

（参考）エドガー・ケイシー　－Wikipedia

噛みきれぬ鯣

噛みきれぬ鯣のように去年今年

檀一雄忌

能古島に寄る年波檀一雄の忌



－1976年（昭和51年）1月2日、悪性肺ガンのため63歳で死去－

（参考）檀一雄　－Wikipedia

一コマ

君といる一コマのように初御空