2016年3月6日日曜日

利根の渡

『青蛙神』-岡本綺堂



「享保の初年である。利根川のむこう河岸、江戸の方角からいえば奥州寄りの岸のほとりに一人の座頭が立っていた。坂東太郎という利根の大河もここは船渡しで、江戸時代には房川の渡しと呼んでいた。奥州街道と日光街道との要所であるから、栗橋の宿には関所がある。その関所をすぎて川を渡ると、むこう河岸は古河の町で、土井家八万石の城下として昔から繁昌している。」

(参)栗橋関所と房川渡し